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2018.11.19

【はずれ馬券は経費です(最高裁判決)】

≪質問≫

はずれ馬券は経費ですか?

馬券の購入に当たってソフトウェアを利用するかどうかで

所得税法上の取扱は変わりますか?

≪回答≫

2017年12月15日、はずれ馬券は経費か?

と言う論点の裁判で 最高裁判所は国側の上告を棄却しました

(平成28年(行ヒ)第303号)

平成27年の最高裁判決を受けて改正された税法では、

馬券の払戻金が 「雑所得」に該当する場合の購入形態の前提として

馬券を自動的に購入する“ソフトウエア”の使用を挙げていますが

今回の最高裁判決では、“ソフトウエア”を使用していないにもかかわらず

「雑所得」に該当すると判断されています。

本件の被上告人(納税者)は,自宅のパソコン等を用いてインターネット

を介して馬券を購入できるサービスを利用し,

平成17年から平成22年の6年間で,1年当たり合計3億円から21億円程度と

なる多数の馬券を購入していました 。

各年における回収率(馬券の購入代金に対する当たり馬券の払戻金の比率)

は 100%を超えており,例えば,平成21年中においては,

中央競馬の全レース 3,453レースのうち2,445レース(全レースの約70.8%)

で馬券を購入し, 約2億円の利益を得ていました。

一審の東京地裁では,国側の主張が認められ,

「一時所得(外れ馬券の購入代金の控除不可)」に該当するとされたが,

二審の東京高裁では一転,納税者側の主張が認められ,

「雑所得(外れ馬券の購入代金の控除可能)」 に該当すると判断されていました。

馬券の払戻金の所得区分については,平成27年の最高裁判決により,

一定の場合には「雑所得」に該当することとされ,

その判決に沿う格好で税法が改正された。

本件は,“ソフトウエア”を使用して馬券を購入していない点が,

平成27年の最高裁判決及び税制改正と異なる点です

今回の最高裁判決をもとにして

今後税法改正が実現すると考えられます

平成30年以降は、ソフトウェアを使用していない場合でも

はずれ馬券を必要経費として雑所得として申告することに なりそうです

2018.11.19

【民泊サービスの確定申告の取扱】

<質問>

民泊サービスを始めました。

所得税の確定申告を行うに 当たって、所得区分は不動産所得でしょうか?

事業所得でしょうか? それとも雑所得でしょうか?

<回答>

民泊サービスの所得区分は、営業形態・規模・提供する サービスの内容によって、

不動産所得・事業所得・雑所得 に分類されます そもそも民泊サービスは、

「旅館業法」「民泊条例」 あるいは2018年6月以降は「住宅宿泊事業法」

に基づいて行う必要があります。旅館業法に基づく民泊サービスは、

施設の所在地の都道府県の保健所に申請して許可を受ける必要があります

その場合、所得区分は雑所得に分類されるケースが多いと 考えられます。

不動産所得とも考えられますが、通常の民泊サービスでは

不動産の貸付以外に、外国人旅行者に対する様々なサービス

を行うことが一般的と考えられるからです

あるいは事業所得と考えられる場合もありますが

個人が事業規模で民泊を営業しているケースは少ないと

考えられます。

次に、民泊条例に基づく場合は大阪市や東京都大田区に限定されるようです

この場合に、上記旅館業法の場合と同じく 雑所得に該当する事例が多いようです。

なお、宿泊者と賃貸借契約のみが締結されている場合には

不動産所得に該当する場合も考えられます。

最後に2018年6月から施行される住宅民泊事業法に基づく場合も

雑所得に区分される場合が多くなると考えられます。

なお、この住宅民泊事業法は年間の宿泊施設提供日数の上限

が180日に設定されるために事業所得に分類されることは

無いと考えられます。

宿泊以外のサービスの提供が無い場合には、

不動産所得に 該当する場合も考えられます

いずれの法律に基づく場合も、個別具体的に判定する必要がありますので

ご注意ください

2018.11.19

【自宅兼店舗に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入】

<質問>

Aさんは、1階を店舗2階を自宅とする建物に太陽光発電設備を設置しています。

発電した電力のうち余剰電力は電力会社に売却しています。

電力メーターは1つしか設置していないので、

発電量のうち店舗や自宅がそれぞれいくら電力を使用したのか不明です

この場合、余剰電力の売却収入に係る所得区分と設備の減価償却費の

計算方法について教えてください

<回答>

本件設備による余剰電力の売却収入は事業所得の付随収入となります。

この場合、必要経費に算入する減価償却費の額は、

発電量のうち売却した電力量以外の割合を店舗と自宅に

おける使用の実態に基づく使用率や使用面積割合等の

合理的な基準による店舗の使用割合により按分して、

その割合と発電量の内売却した電力量の割合の合計を

事業用割合として計算することが考えられます

《事例》

年間発電量 10000kwh 売却電力量 2000kwh(20%)

合理的な基準による店舗の使用割合 70%

減価償却費の額を計算する際の事業用割合 (100%-20%)×70%+20%=76%

2018.11.19

誤りやすい事例集【必要経費】

誤った申告  9
事業を営む者が、生計を一にする親族の所有する建物を無償で借り受け、事業の用に供した場合、その建物に係る減価償却費、固定資産税等について、事業を営む者の必要経費に算入することはできないとした。


正しい申告  9
事業を営む者が生計を一にする親族の所有する建物を無償で借り受け、事業の用に供した場合であっても、その対価の授受があったとしたならば、その資産を所有する親族の各種所得の計算上必要経費に算入されるべき金額を、その事業を営む者の事業所得の金額の計算上必要経費に算入することができる(所得税法56、所得税基本通達56-1)

2018.11.19

誤りやすい事例集【医療費控除】

誤った申告  8
メタボリックシンドロームに係る特定健康診査の結果中性脂肪値が高かったことから、特定保健指導(積極的支援)により、定期的な運動をするよう指導を受けて、スポーツジムに通い始めた。この場合のスポーツジムに支払った運動施設使用料を医療費控除の対象とした


正しい申告  8
特定健康診査を行った医師の指示に基づき行われる特定保健指導(積極的支援)を受ける人のうち、その特定健康診査の結果が高血圧症、脂質異常症又は糖尿病と同等の状態であると認められる基準に該当する人の状況に応じて、一般的に支出される水準の医師による診療又は治療の対価その他特定健康診査の費用は、医療費控除の対象とされる。 しかし、事例のようなスポーツジムの利用料は、医療費控除の対象となる特定保健指導そのものの対価ではなく、医師の診療棟を受けるために直接必要な費用にも該当しないため、医療費控除の対象となる医療費には該当しない

2018.11.19

誤りやすい事例集【寄付金控除】

誤った申告  7
政治家が行った本人の後援会に対する寄付について、選挙管理委員会が発行する「寄付金(税額)控除の為の書類」が添付されていたため、寄付金控除の申告を行った


正しい申告  7
選挙管理委員会が発行する『寄付金(税額)控除の為の書類』は、政治資金規制法にもとづく収支報告書に記載されている寄付金であることを確認するものです。そのためこの書類は寄付金控除の対象となるものか否かを証明するものではありません。

2018.11.19

誤りやすい事例集【障害者控除】

誤った申告  6
介護保険法上の要介護の認定を受けている者について、障害者控除の対象とした


正しい申告  6
介護保険法における要介護状態とは、身体又は精神の障害のために、入浴・排泄・食事等日常生活での基本的な動作について、6カ月にわたり継続して常時介護を要すると見込まれる状態を言います。そのため要介護状態の者の一部には、福祉事務所長等の認定を受けることにより、所得税法上に規定する障害者に該当する者が存在することになります。 しかし、介護保険法上の要介護認定と福祉事務所長等による認定は別の認定行為であり、介護保険上の介護認定を受けたことをもって、直ちに所得税法上の障害者に該当するものではありません。

2018.11.19

誤りやすい事例集【寡婦控除】

誤った申告  5
Aは、未婚でBを出産し、Bを扶養親族としているため寡婦控除を適用できると判断して申告した


正しい申告  5
寡婦とは、「夫と死別・離婚した後再婚していない者や夫の生死が明らかでない者」で、扶養親族や総所得金額等が38万円以下の生計を一にする子のある者その他一定の者を言います。事例の場合、Aは未婚であり「夫と死別・離婚した後再婚していない者や夫の生死が明らかでない者」に該当しないため、寡婦控除を適用できません。

2018.11.19

誤りやすい事例集【扶養控除】

誤った申告 4
夫の控除対象配偶者とされていた妻が、年内に夫が死亡し、その後息子に扶養されていた場合、夫か息子のどちらかの扶養親族にしかなれないと判断して、息子の扶養親族としなかった。


正しい申告 4
年の中途で死亡した居住者の控除対象配偶者であっても、その後その年中において、他の居住者の扶養親族となった場合には、その者の扶養親族として控除の対象とすることができます

2018.11.19

誤りやすい事例集【配当控除】

誤った申告  3
申告分離課税を選択した配当所得について、配当控除が適用できる判断して申告した。


正しい申告  3
平成21年1月1日以後に支払いを受けるべき上場株式等の配当(大口株主ではない)に係る配当所得の申告については、総合課税のほかに、申告分離課税を選択することができるが、配当控除が適用できるのは、総合課税を選択した場合のみであり、申告分離課税を選択した場合には配当控除を適用することができない。

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