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2022.01.22

家賃など請求書等の交付がないインボイス対応

令和5年10月から始まる消費税のインボイス制度では

一定の記載事項が記載された適格請求書(インボイス)の保存が仕入税額控除の要件となります

しかし、事務所の家賃など支払いに当たって、

取引の都度請求書や領収書が交付されない取引もあります。

こうした家賃など請求書等が交付されない費用について

インボイス制度下で仕入税額控除の適用を受けるための対応をまとめました。

 

「口座振替」の帳簿記載による控除は不可に,契約書等の書類の保存が必要

現行の区分記載請求書等保存方式でも仕入税額控除を適用するには

取引相手から交付された請求書等の保存が求められます。

この点,事務所の家賃など銀行の「口座振込」や「口座振替」で支払い

取引の都度,請求書等が交付されない取引に関しては,口座振込では請求書等の代わりに

「振込金受取書」と「賃貸借契約書」の保存が必要となる。

口座振替の場合には,振込金受取書の交付を受けないために

請求書等の交付を受けない「やむを得ない理由」があるものとして

「口座振替のため」等と帳簿に記載をすることで仕入税額控除の適用が認められています

しかし,インボイス制度では口座振替でも上記の帳簿記載では仕入税額控除は認められず

口座振込と同様に,賃貸借契約書等の書類の保存などが必要となります。(国税庁インボイスQ&A問76)

 

契約書に登録番号等の記載がある「新規契約」,契約書+通帳等で対応

インボイス制度で仕入税額控除を適用するには,その取引相手(賃貸借契約では貸主)

の登録番号等が記載されたインボイスの保存が必要となりますが

複数の書類を組み合わせる形で,インボイスの記載事項を満たすことが認められます。

令和5年10月以降に新たに事務所の賃貸借契約を結ぶ「新規契約」では

賃貸借契約書に貸主の登録番号等が記載されますが

それだけではインボイスの記載事項を満たしません。

この場合,賃貸借契約書に加えて口座振込では,登録番号等とは別に

インボイスの記載事項である「課税資産の譲渡等の年月日」を示す振込金受取書の保存が必要となります。

また,口座振替では,振込金受取書の交付を受けないため,賃貸借契約書に加えて

その銀行口座に係る「通帳」を保存すれば,インボイスの全ての記載事項を満たし

仕入税額控除が認められることになります

契約書に登録番号等の記載がない「既存契約」,不足事項の補足に注意

注意したいのが,令和5年10月前から既に事務所の賃貸借契約を結んでいる「既存契約」のケースです。

インボイス制度が始まる前に契約を締結しているため,その締結時期によっては

登録番号のほかにもインボイスの記載事項である「適用税率」や「消費税額等」が

賃貸借契約書に記載されていないことが想定されます。

この場合,新たに賃貸借契約書を結び直す必要はないですが

借主は賃貸借契約書及び振込金受取書等の保存に加えで記載が不足している登録番号

適用税率や消費税額等について貸主から別途通知を受け

保存をする必要があります。

事務所家賃以外の請求書等がない取引も同様の対応

事務所の家賃以外にも専門家への報酬といった,取引の都度

請求書等の交付を受けない取引は他にもあります

その場合も,「契約書+振込金受取書等」やこれらの書類で足りないインボイスの記載事項は

別途通知を受け保存するなど,事務所の家賃と同様の対応によって

仕入税額控除が受けられる。

なお,上記のように借主等が契約書等の各種書類を保存する対応のほか

貸主等が一定期間の賃料等についての適格請求書(インボイス)の交付を行う場合には

借主等はそのインボイスを保存することで仕入税額控除を受けられる。

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