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2021.10.30

電子取引 書面出力“禁止”は誤り,電子保存は必須

経過的対応として紙運用・電子保存のハイブリッドも

来年1月から適用がスタートする改正電子取引制度(電帳法7)では

代替措置である書面出力保存が廃止される。

改正で義務付けられるのは電子取引を行った場合の電子データでの保存であり

電子保存さえできていれば、それを書面に出力して経理業務などを行うことは禁止されていない。

来年1月までに完全電子化対応が間に合わないといった場合には

過渡的な対応として,経理業務などの運用は従来通り紙ベースで行いつつ

保存のみ電子データで行うことになると思います

3月決算法人等でも来年1月以後の電子取引から書面出力保存不可

書面出力保存が廃止されることとなった背景には

受領した電子データと出力した書面との同一性が十分に確保されないということがある。

現行の電子取引制度では,電子取引の取引情報を電子データで保存する場合

タイムスタンプの付与など,一定の改ざん防止措置を講じることが義務付けられており

一定程度,同一性の確保が担保されている。

一方,書面に出力して保存する場合,こういった改ざん防止措置は一切なく

受領した請求書等データの金額にゼロをひとつ追加して紙に出力していたとしても

これを確認するのが難しい状況となっていた。

こうした背景を踏まえ,改正法が施行される来年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については

請求書等の電子データを書面に出力して保存することが認められなくなる。

なお,3月決算法人など事業年度の中途に改正法の施行日である令和4年1月1日を迎える場合であっても

同日以後に行う電子取引については書面出力保存が認められなくなりますのでご注意ください。

従来通り紙ベースでの業務運用も可能

書面出力保存の廃止について今回の改正は,電子取引で授受した電子取引の取引情報について

原則通り,電子データでの保存を義務付けるものであり

受領した電子データを紙に出力すること自体が禁止されたわけではない。

このため,来年1月から完全に電子化する必要はありません。

社内の経理処理のための業務や税理士・公認会計士とのやり取りを

従来通り紙ベースで行うことも認められます。

もちろん,保存については電子データで行う必要がありますが、

例えば,改正電子取引制度対応でネックとなる検索要件の確保については

検索機能等を有する文書管理システムがない場合であっても

エクセル等の表計算ソフトを使って要件を満たすことなどが可能となっています

(国税庁・電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問12,問33)。

また,改ざん防止措置についても,必ずタイムスタンプの付与等が必要となるわけではなく

コスト面から比較的導入が容易と考えられる「訂正削除の防止に関する事務処理規程」

の備付けも認められています(同問24)

時間的な制約や予算などの関係上,来年1月までに対応が難しいケースも多々あると考えられます。

システムや全社的な運用の準備が整うまでの移行期については

経理業務などの運用は従来通り紙ベースで行い

保存のみ簡便的な方法を使って電子データで行う方法でも対応できます

 

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